今年の1月から始まった農道塾も今回で8回目。
オルタ農法とは?の座学からはじまり、
土作り、
堆肥のこと、
種まき、
間引き、
仕立て方、
収穫と、
基本的な農作業の流れを実践してきました。
その中でも萱場さんが最も話したかったことで、
農道塾の一番の核となっていることが、
今回のテーマ
「種を繋ぐということ」。
こちらはレタス。
綿毛の元に小さな種がついている。
「ひまわりの種みたいでしょ。
アブラナ科の種はみんなこんな形をしているの」
こちらはモロヘイヤ。
真ん中辺りにシュッと伸びているところ。
もう少し大きくなったら種が取れる。
「毒があるからね。“はい、お茶です”ってコレ入れて俺に渡さないでね(笑)」
ウリ科の野菜は、熟してから水の中で種を取り出し、
沈んだものをペーパータオルで水分を拭き取り、
よく乾かして保存しておく。
「種はね、科によって形が同じなの。
苗になっちゃうと何科かわからないけど、
種だったら形をみて、育て方など決められるんだよ」
市場に出回っている種や苗のほとんどはF1種と言われるもので、
採れる野菜が同じ形、葉色、背丈、味・・・となるように、
種会社がきちんと管理された場で、他の品種と混ざらないように作っています。
こちらを説明するのは難しいのでそれぞれ調べてもらいたいのですが^^;
たとえばF1の苗で育てた野菜をF1、一代目とし、
その種をとって育てた野菜をF2、二代目、その子(孫)はF3、三代目となります。
F2、F3と交配されるごとに劣性遺伝子が出てきて形や色などバラバラになるのですが、
F1はその親の形質の優性遺伝子だけが現れるので、ほぼ同じ形の野菜が収穫できます。
たとえば、こちらのミニトマト。
F1種は丸い形だったのが、
F3のこちらになると、こんな可愛らしい形になった!
ただ、同じ形状を求める市場に出回るためには、これではなかなか難しい。
でも、自分で作って食べる分にはF2だろうが、F3だろうがなんの問題もありません。
この優劣って、品質が落ちるとかそういうことではないからね。
次の世代にどんな形状の野菜ができるか予測不可能ってこと。
むしろ、その土地に合った独自の野菜を作ることができるのです。
F2、F3と次々と種を引き継いでいくと、
だんだん形が定まってきて、その土地独自の固定種が生まれてきます。
京都の伝統野菜とかね。
そこまでいくのに何年かかるかわからないから大変なのだけど、
根気と遊び心と、
未来を創造していくんだという想いを持って取組み、
自分で種が取れるようになれば、
種会社や肥料会社、農薬会社からの支配から逃れ、
農家はもっと自由になれる。
その土地に合った野菜になるから基礎体力がついてくるので、
農薬や肥料も使わずに育てることができるからね。
私たちは農家じゃないから、
自由に楽しめますよね〜。
自分で作るから安心だし。
「子どもたちへの食育も、ただ野菜作って食べました〜、ではなく、
自分たちの育てた野菜から種を取り、それを下級生に渡し、
そしてまたその次の世代へ受け渡し。
この流れの中から、過去、現在があって未来を創造していくということを
思い描けるような教育が大事。
自分の歴史でもあり、伝えられる歓びも感じられるからね」と萱場さん。
こういう話をしながら、どんどん物事の真理をつかめるようになるといいんだよね〜。
農業にも、哲学が大事なの。
こちらは、同じ種で育ったピーマン。
ほっそりスリムなお姉さんと、
ぽっちゃり可愛らしい妹って感じ(^^)
どちらも、美味しい♡
こうやってみると、野菜の世界も、個性豊か〜。
見る角度を変えると、面白さが増しますね〜。
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